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      生きる力を身につけたたくましい子供を育てる

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学校法人帯広葵学園 理事長 上野敏郎  

第106楽章 ―大谷短大に幼稚園課程―

 平成25年2月5日の北海道新聞は、十勝管内の幼稚園関係者に嬉しいニュースを伝えています。帯広大谷短期大学に新しく幼稚園教諭免許が取れるコースができたのです。それまで帯広大谷短大で保育士資格は取れましたが幼稚園教諭の資格は無理でした。これは、将来保育士を目指す学生が幼稚園教諭の資格も同時にとれることを意味します。学生たちにとっても、仕事を選ぶ選択肢が増えたことになります。

  これまで、幼保一元化の話は常にありましたが、幼稚園、保育園の現場では具体的な形にはなっていませんでした。それぞれの関係者が、自分のところはまだ遠い話であると思っていたのです。特に幼稚園関係者は、働くお母さんが増えてきた変化を感じながらも、まだ預かり保育の充実で十分対応できるとしていました。

 ただ、幼稚園教諭の新採用にはいつも頭を痛めていました。常に北海道内の幼稚園教諭養成学校と連絡を取りながらも、希望通りの採用人数が確保できないのが実情です。それが、十勝地域にその養成学校ができれば少なくとも地元採用がやりやすくなることは間違いないと期待することになります。

 ところで、幼保一元化の歴史は1996年、平成8年12月20日、国の地方分権推進委員会が地域の実情に合わせて幼稚園、保育園の施設利用方法を弾力的に進めることを求めたところから始まります。その後、この議論は紆余曲折を経ることになりますが、民主党政権時代には「幼保一元化」ではなく「幼保一体化」の観点で議論されるようになります。この違いは、直接の現場となる幼稚園や保育園の実態にはそう大きな違いありませんが、民主党政権の主張は窓口になる行政の一体化にありました。

 つまり、幼稚園は文部省、保育園は厚生省といった古くからの行政機構を一つにすることがいいとする考えです。これはこれでいいことですが、現場を預かる市町村はすでに「子ども未来部」とか「子ども課」として『一本化』機構改革に手を付けていたのでした。使いにくい縦割り行政の修正は地方自治体取り組みの方が早かったのです。

 ともあれ、大谷短大の新コースは十勝の幼児教育界に朗報をもたらしてくれたのでした。  


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